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2024/04/15 17:36

アルゼンチンでワインを造っている人に対して失礼な話ですが、今回の旅は

チリのワイナリー訪問が目的で、アルゼンチンはついでに行っておこうというぐらい軽く考えていました。ところが、行ってみたら個性あふれる面白い国で、素晴らしいワインとの出会いがありました。

  

サンチャゴからメンドーサへの移動は飛行機で1時間ちょっとです。

一応国際線ですが、皆さん国内移動のような雰囲気で、小さなスーツケースを持った人達が荷物棚のスペースを求めて右往左往。ただ、お年寄りや小柄な女性には、周りの男性が手伝ってくれて、横の人とも会話して、すごくフレンドリー。

 

メンドーサの空港は小さくてシンプル。

両替をしようと探したら両替所はお休み、クレジットで出金しようとしたら機械の前でトラブっているカップルがいました。機械が故障していてお金が出てこないのです。すごい国だなあと思いますよね。念の為日本でアメリカドルに換金していたので心配はありませんが、あまり換金する旅行者がいないのかもしれません。

 

メンドーサ市内のホテルからワイナリーまでは、遠くても1時間。チリのワイナリーより訪問しやすい環境です。ヨーロッパと大きく違うのは、ワイナリーが1軒ずつ離れていて、隣りのワイナリーは何十キロも先。午前中に1軒訪問したら、午後にも1軒回って1日のスケジュールは完了です。

 

旅程を日本で計画していた時には分からなかったのですが、ワイナリーの周辺はかなり田舎で、飲食店も、商店も、なにもありません。メンドーサ市内からワイナリーに向かう途中、住宅地を抜けるのですが、タイムスリップした、映画の中に出てくるような古びた売店を見かけただけです。

 

モンテスの姉妹的なワイナリーカイケンを訪問し、醸造設備、ブドウ畑、と見学した後、併設されたブドウ畑の中にあるレストランで夕食を取る予定でした。醸造アシスタントの方と席につき、アミューズにエンパナダをいただいたところ、大変美味しくてワクワクしていたら、突然の雷です。雨が降り始めましたが、すぐに止むと言われ、ロゼスパークリングを飲みながら次のお料理を待っていたら、強い風が巻き起こって嵐の様相。屋外レストランは営業をやめざるおえませんでした。他のお客様達と室内に避難して、寒さに震えながら飲んだカイケンの赤ワインは嵐の思い出と共に心に刻まれたのです。

 

 

  

さて、翌日訪問したヴィーニャ・コボスは輸入元のパンフレットから選んだ、飲んだ事のないワインです。赤ワインのマルベックが小売価格5万円と記載されていて、興味をそそられました。到着時は、前夜の嵐で停電していましたが、超近代的な建物で電気はすぐに復旧し、テイスティングが始まりました。

 

カジュアルラインのワインから試飲を始めたのですが、どれもすこぶる旨いのです。ワイナリー訪問の最終日で、身体は疲れていたのですが、香りに気をそそられ、口に含むといっきに目が覚めました。当日は醸造家のディアナの誕生日。彼女は英語が苦手なのでヴァレンティーナがスペイン語を英語に通訳してくれます。

 

醸造家のディアナさん

 

営業のヴァレンティーナさん

 

風邪気味の私の目を覚ましてくれたのはFELINOのシャルドネ。

 

 

    

ヴィーニャ・コボスのオーナーはアメリカ人のポール・ホブスで、天才醸造家と言われています。アルゼンチン最大級のワイナリー、カテナ・サパータから世界に通用する最高のシャルドネを造る為に招聘され、アルゼンチンの持つ可能性に魅了されたのです。

 

彼はアルゼンチンの土壌と気候を研究した結果、マルベックを選び、畑作業を徹底し、手作りのワインを追求。アメリカに多くのマルベックワインが輸出されるようになり、アルゼンチンはマルベックという認識が世界に広まってゆきました。

 

アルゼンチンには最高に美味しいワインがありました。

  

島幸子

 

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