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2024/04/15 17:31

ご無沙汰しております。サミュゼ専属運転手、ミスターXです。コロナ前のイタリア研修旅行以来、ドライバーの出番がなく、少し寂しい思いをしております。

 

皆さんもそうだと思いますが、海外に行くと、日本とはまったく違う文化を体験したり、見たことのない風景に出会ったり、国内旅行とは違う刺激を受けるものです。ただこの刺激、過剰になると、旅先で疲れてしまったり、体調を崩してしまったり。

 

私も1週間を超える海外渡航の場合、体調を崩すまでは至りませんが、例えば食事。パン食ばかり、ボリュームたっぷりの肉料理で胃が疲れてしまい「何でもいいからお米が食べたい」と思うことは少なくありません。

 

いつかのフランス研修旅行の際、高速道路のパーキングエリアのフードコートで、白米を見つけたとき、小躍りして喜んだのを覚えています。おそらくサラダ用だったと思われる、パッサパサの白米、その美味しいことといったら…やっぱり自分は日本人なんだな、と思いました。

 

そんな私も、かつては1人で海外のワイナリーを回ったりしていました。最初に行ったのはナパヴァレー、続いてオーストラリアのヤラ・ヴァレーや、バロッサ・ヴァレー数年語に再びオーストラリアのハンター・ヴァレー…

 

私がオーストラリアに初めて行ったのは、2001年の5月、今から20年以上の話です。オーストラリアは、気候が日本と真逆ですから、5月は秋です。ブドウ収穫も終わり、畑は黄色に染まっています。

 

  

 

確かケアンズからトランジットで、まず、メルボルン近郊のヤラヴァレーに行き、ヤラで数泊、その後飛行機でアデレードに向かい、バロッサヴァレーやイーデンヴァレーで数泊。

 

ヤラヴァレーや、アデレード近郊のバロッサヴァレー、マクラーレンヴェイル、シドニー近郊のハンターヴァレーといったワイン産地の良さは、都市部から車で1時間ほど走った好立地であるということです。

 

オーストラリアの道路は日本と同じ左側通行ですので、車も右ハンドル、道路標識も、大体日本と同じ、レンタカーはオートマ車が標準。ですので、運転はヨーロッパなどに比べると非常に楽です。ただ、私が初めてオーストラリアに行ったのは2001年のこと。カーナビはありません。グーグルもありません。写真が撮れる携帯電話はおろか、デジカメすら普及していない時代です。

 

今考えると、何て不自由なこと!でも何とか工夫して、旅を楽しんでいたのです。ですので、写真はフィルムカメラ(たぶん使い捨てカメラ)によるもので、不鮮明かつ少しセピア色に、更には私の記憶もセピア色…お許しください!

 

南オーストラリア州にあるバロッサヴァレーは、大都市アデレードから北へおよそ1時間。私が訪問したのはぺンフォールズ、ピーターレーマン、ヘンチキ、エルダトンなどなど。あと、比較的小さいワイナリーを1,2軒、ジェームズ・ハリデーさん(オーストラリアで有名なワイン評論家です)の本を片手に訪問した記憶があります。ただ、ヤラヴァレーからの強行軍のため、滞在期間は短く、慌ただしかったです。

 

  

  

  

 

バロッサヴァレーは、南オーストラリア州で最も重要なワイン産地の一つです。歴史もオーストラリアの中では古く、180年前の古樹を持つワイナリーもあります。こういった樹齢の高い樹々は、貴重とされ、大切に保存、維持されています。

 

有名、かつ、生産量も多いのが、シラーズ(フランスのシラー。オーストラリアではシラーズ、と呼びます)で、基本的にはかなり濃い色調、黒い果実の香りの中に、メントールや、ミントの香りも感じることがよくあります。このミントのような香り、ユーカリの香り、と言われており、オーストラリアの赤ワインの特徴でもあります。あのコアラの大好物であるユーカリ、オーストラリアには何百種ものユーカリが自生しているそうですが、実際、ブドウ畑とユーカリの木の距離が近ければ近いほど、ブドウに付着するユーカリの香味成分が多くなり、ワインの香りに影響を与える、とする研究者もいるようです。(ただし諸説あります)

 

オーストラリアワインの特徴はユーカリの香り、何てわかりやすいテロワールなんでしょう!

私も、現地ではもちろん、訪問したワイナリーで、かの有名な「グランジ」をはじめとする、美味しいシラーズや、カベルネソーヴィニヨンなどを数本購入し、帰国してからもこれらユーカリの香りのする赤ワインを存分に楽しみました。グランジ1997年は、何と飲んだのは昨年!自宅セラーにずっと寝かせてあり、ちょっと心配でしたが、大丈夫。まだ、若かった。ぜんぜん力有り余っているようなパワフルさがありました。

 

  

 

このグランジを作る、オーストラリアを代表するワインメーカー、ペンフォールズ、アデレードからほど近い、マギルエステート、というところが有名なのですが、私が行ったのは、バロッサヴァレーにある方です。

 

  

  

 

セラードアが2か所にあるのです。どちらも見学可能なのですが、マギルの方が、市内から近いし、よりツーリスト向けの施設ではないかと思います。

 

何度も言うようですみません、写真は20年前のものです。ネットで調べましたら、バロッサヴァレーの方も、よりモダンに改装されているようです。私が行ったときは、やや古くて渋いセラードアでした。でもそこがまた、老舗っぽくって、味がありました。

 

さて、アデレード近郊には、他にもたくさんのワイン産地があります。アデレードの南にあるマクラーレンヴェールをはじめ、少し距離がありますが、リースリングで有名はクレアヴァレー、アデレード東側にあるアデレードヒルズ、島なので飛行機移動が必要になりますが、その名の通りカンガルーの生息地で有名なカンガルーアイランドなどなど。

 

私はどうしても行ってみたいワイナリーがありました。クレアヴァレーと並ぶ、リースリングの名産地、イーデンヴァレーにある、ヘンチキというワイナリーです。

 

  

  

 

ワイナリーに見学の予約をしてあったのですが、やや道に迷い、約束の時間を結構すぎてしまいました。でも、係の人は、嫌な顔ひとつせず車のそばまで出迎えてくれたのを覚えています。オーストラリアの皆さん、少なくともワイナリーや、周辺のホテル、お店の人たちはとても親切でにこやかでした。

 

イーデンヴァレーは、バロッサヴァレーの中心から車で30分ほどのところにあるのですが、大きく違うのは標高です。200~600メートルと、ものすごく高くはないのですが、南北に連なる山脈の上にあります。

 

標高のお陰もあり、フランスでいえばアルザスのような、比較的冷涼な地域で作られるリースリングの名産地となっているのです。ちなみにオーストラリアのリースリング、今年のワインエキスパート2次試験にて出題されました。(遅ればせながら、私受検しており、冷や汗もので合格しました)一般的には、オーストラリアの辛口リースリングは、ドイツ、アルザスのそれよりも更にドライで、酸は比較的穏やか、と言われています。

 

話が少し脱線しましたが、ヘンチキももちろんリースリングは造っていて、大変美味です。ですが、このワイナリーで最も有名なワインは「ヒルオブグレース」という赤ワイン。シラーズでは「グランジ」と双璧、と言ってよいでしょう。

 

このヒルオブグレースは、厳重に管理された畑にある、何と樹齢130年(!)のシラーズ100%で作られています。

 

荘厳なワインです。現地で購入したワインを、数年後に日本で飲みましたが、ユーカリというよりはやや香味の強いハーブの香りや風味、びっくりするくらいの余韻の長さ、を覚えてます。これまた断片的記憶ですが、とにかく凄いワイン、例えれば、陽気でグラマラスなグランジに対して、少し謎めいていて、妖艶なヒルオブグレース、というのが私のイメージです。ざくっとしていてすみません。

 

両ワインとも、現在ではかなり値が張ります。20年前でも高額だったのは間違いないですが、なかなか手の出ないアイテムにはなってしまいました。ただ、オーストラリアには他にも美味しいシラーズはたくさんあります。造り手や産地によって、濃厚なものからやや抑えめのもの、エレガント系、などなど、味わいも変わってきます。

 

だんだん寒くなるこれからの季節、飲みたいワインもキリッと冷えた白ワインから、赤ワインへ、少しボリューミーな肉料理に、どっしり目の赤ワインが恋しくなるのは私だけでしょうか?個人的には、秋冬はファッション同様衣替えで、シラー系のスパイシーで濃厚なワインを飲むことが断然多くなります。

 

案の定、私、この文章書きながら、オーストラリアで何度も食した巨大ラムステーキと、シラーズをいただきたくなりました。近々、自宅で楽しもうと思います。

 

BGMは勿論、オーストラリアのポップミュージック!ワインと合わせるなら、オシャレ系のハイエイタス・カイヨーテか、ジョン・バトラー・トリオあたりかな~?

 

ミスターX

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