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2024/04/15 16:50

本当に、久しぶりに、フランス、スイスのブドウ畑を訪問してきました。羽田空港で国際線に乗り換えた時、「ああ、やっとコロナが終わった!」と心の中でつぶやいていました。

 

今回の目的は、美味しいピノ・ノワールを探す事。ピノ・ノワールと言えば本場はブルゴーニュ地方ですが、近年価格は上昇するばかり。その理由は明確で、ブルゴーニュ地方の土地が限られていて、生産量を増やすことはできないのに世界中のワイン好きがブルゴーニュワインを求めるから。

 

カリフォルニア、北イタリア、オーストラリア、ニュージーランドなどでも生産されているのですが、ピノ・ノワールは「ハートブレイク・グレープ」と呼ばれるくらい、生産する事が難しい品種なのです。

 

ブルゴーニュ地方の土壌はおおむねジュラ紀由来の粘土石灰質。この土壌に似たブドウ畑があれば、品質の良いピノ・ノワールの生産が可能となります。もちろん、日照量、降雨量、

風通しなどその他の条件も必要ですが・・・。

 

今回の訪問先、フランス・アルザス地方は白ワインで有名ですが、赤はピノ・ノワールのみ

産地呼称を認められ、品質の高いワインが醸造されています。肝心の土壌ですが、非常に多様で、花崗岩、片麻岩、結晶片岩、火山性堆積岩、砂岩、石灰質、石灰の石ころが混じった泥灰岩と書ききれないほどあり、モザイクと表現されています。

 

  

1件目のALBERT・BOXLERはストラスブールから70キロほど南下したコルマールの近くにあり、小さな村の中を探していると、絵本の中に自分が入り込んだような感じです。第二次世界大戦で被害を受けなかった為、昔の街並みがそのまま残っているのです。

 

1871年からフランスの新聞で連載された月曜物語の中に「最後の授業」という短編があり、

フランス領アルザス地方に住む学校嫌いのフランツ少年の物語です。

 

ある日先生が「フランス語の授業は今日が最後です。普仏戦争でフランスは負けた為、アルザスはプロイセン領になり、明日からはドイツ語でしか授業を行えません」と生徒達に告げる物語ですが、昔からフランスとドイツの二国間で領有権が争われた地方で、街並みにその歴史が残されているのです。

  

  

 

   

 mane@help-vin.com 

 

今回、一番ラッキーな出来事はALBERT・BOXLERに日本人が働いていた事。

秋田悠樹さんのお陰で日本語で詳しい説明が聞けて、本当に助かりました。

 

 

5月のサミュゼ厳選ワインですが、パンフレットの写真は訪問時に畑で撮った写真です。

オーナーのジャン氏と二番目の息子さんが、新しいブドウ樹を植える為に支柱を立てているところを、下の作業道から私と秋田さんが見上げているアングルです。

 

 

アルザスのブドウ畑は、ヴォージュ山脈とライン川に挟まれたエリアに縦に伸びていて、

小高い丘の斜面に見晴らし良く広がったブドウ樹の光景は、心が引き込まれる感じがして、

日本に帰ったらもっと一生懸命にソムリエの仕事をしようと思わせてくれました。

 

今回はクレマン・ダルザスのご紹介ですが、大切に運んできたピノ・ノワールが2種類あり、スタッフと試飲してサミュゼのワインリストに仲間入りするかどうかを決めます。

日本で飲んで美味しかったクレマン・ダルザスに興味を持って、下調べしていたら凄い生産者である事が分かり、目的がピノ・ノワールに変わったのです。

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