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2024/04/15 16:49

 20年前、03年の9月にトヨタネッツ店35周年の記念に販売店代表者をヨーロッパに御案内する仕事があり、ヤリスを生産するフランス工場見学とベルサイユのトリアノン宮殿での晩餐会が共通の行事でしたが、オプショナルツアーが幾つか設定されていました。私が担当する南関東ネッツ店の代表者の多くが、スイスを希望されたので、当時は個人的にスイスに来ることは無いだろうから、ちょうど良いとスイスを選びました。まさか、スイスワインも魅力的で今年4月に訪問することになろうとは思いもしませんでしたが。

 

 ツアーの後、スイス以外に行かれた代表者のお話を伺うと、ヴェネツィアがいずれ沈むから早く行った方が良いとのこと。これをきっかけに直に’03〜04年の年末年始にヴェネツィア、フィレンツェ行きを計画しました。当時は海外での運転はボルドーで1回やったきりでしたし、ヴェネツィアはクルマが入れないこと、フィレンツェまで鉄道で行けば市内に観るべきところは多いだろうから、レンタカーは手配せず、国際免許証も取らずに成田に着きました。ところが成田で急にソムリエールが「私は国際免許証を持っている。私が運転するから、レンタカーを借りて欲しい。」とのこと。急遽、ハーツに連絡し、フィレンツェでの貸出を予約しました。

 

 フランクフルト経由でヴェネツィア空港に着きました。ホテルまではボートタクシー?で水上移動。運河からホテルに横付けでした。3泊しました。有名なサンマルコ広場に行くと浸水で水浸し。広場周りの店舗は水の掃き出しに懸命でした。今年は逆に水が無く、運河も使えずにゴンドラも商売あがったりだとか。自然は予測不能ですね。当時、サンマルコ広場では多くの中国人を見かけ、彼らの海外旅行が本格化し始めたことを記憶しています。

 

 当時、ヴェネツィアのあるヴェネト州で造られるスッキリ白ワインのソアーヴェと軽めの赤ワインのヴァルボリチェッラが何処かのファミレスに導入されていた記憶があります。ヴェネツィアで有名なのが、ハリーズバーのベリーニというカクテル、スパークリングのプロセッコに白桃のジュースを加えたものですが、ホテルの近くなので飲みに行きました。このプロセッコもヴェネト州の産なんですよ。

 

 

アヴェの町

 

ソアヴェを代表する造り手ピエロパン

 

 後、出掛けるにしても徒歩で迷路のような道を歩き回るのは疲れます。翌日からは運河を巡る水上バスであちこち出かけましたが、冬のオフシーズンなので寂しい場所も多かったです。唯一良かったのはブラーノ島でした。船乗りの夫が判るように家ごとに壁の色が違っていたり、女性達の仕事の美しいレースが印象的でした。

 

 トスカーナ州のフィレンツェへは電車で移動しました。ドウモや美術館など観るべきものが沢山あリました。たしか竹野内豊さんの映画「冷静と情熱の間」でドウモが描かれていたと思います。それらを見学の後、出発前に何かの雑誌の巻頭に載っていた「チンタ・セネーゼ」という豚をシエナまで食べに行きました。又、シエナはイタリアワインの代表のキャンティワインの産地でもあるんですよ。葡萄品種はサンジョベーゼが主体です。

 

 

ミラノのドゥオーモ

  

フィレンツェのドゥオーモ

 

キャンティを代表する造り手バローネ・リカーゾリ

 

 当時はレンタカーにナビは無く、Googleマップもありません。ミシュランの紙の地図をひろげるくらいですが、使い勝手は悪いです。しかも、ソムリエールの運転で、私がナビです。フィレンツェから南に100km程度。大変不安でしたが、幾つかの村をやり過ごしながら、なんとか目的のリストランテに辿り着きました。チンタ・セネーゼを紹介した雑誌を掲げながら、店主に日本から来たと伝えると、店主は雑誌には目もくれず、店にも日本人がいるぞと厨房に案内されました。彼は「こんな処まで、どうやって来たの?」というので、レンタカーでこの本の情報だけで来たと告げるとたいそう驚いていました。

 

 ランチをいただきました。アンティパストからチンタ・セネーゼを使ったものでした。セコンドはピチ。太いパスタです。そこにチンタ・セネーゼですから、まるで焼きうどんでした。ここまできたら、メインもチンタ・セネーゼのグリル。美味しくフルコースをいただきました。しかし、無事にフィレンツェのホテルに戻ると二人共、チンタ・セネーゼの濃厚な油?に胸焼け状態。残念ながら、その夜、予約してあったサバティーニはキャンセルしました。

 

 

トスカーナの高級豚「チンタセネーゼ」

 

写真は『 Kiyomi D. 』様のホームページからいただきました。

https://www.deeshan.com/guide/index.htm

 

 トスカーナ州と言えば、偉大なワイン産地ですが、その中でもスーパータスカンと呼ばれるサッシカイアを訪ねることにしました。トスカーナ州でも西のティレニア海に面するボルゲリ地区にあります。第2次世界大戦後、フランスワインが規制されたために、ボルドーワイン好きだった名門ワイナリーのロケッタ侯爵が、シャトーラフィットからカベルネソービニヨンの苗木を贈ってもらい、ボルゲリのゲラルデスカ侯爵の娘が嫁いで来たことから、ボルゲリの地にこの苗木を植えたことがサッシカイアの始まりとのこと。

 

 このためトスカーナのワインとは呼べず、本来なら最下級の扱いになるそうですが、その高品質故にスーパータスカンなる新たなジャンルとネーミングが与えられたそうです。

 

 

もうすぐサッシカイア

 

   

 

サッシカイア入口

 

 フィレンツェから西、ピサの方向に向かいティレニア海に当たるリヴォルから南に向かい約150km。海沿いから丘に伸びる美しい並木道を上がって行くとサッシカイアのゲートがありました。残念ながら、アポ無しでしたので訪問は出来ませんでした。しかし素晴らしいワインが美しい場所で造られていることは良くわかりました。

 

サッシカイアのワイン

 

  

 

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