2022/02/06 19:30
新米ソムリエールのつぶやき
8月のお盆休みにはサミュゼメンバーで私の出身地である北海道のワイナリー、岩見沢、小樽、余市などをを巡りました。 
いえ、巡ったのは私を除く5名。参加予定だった私は出発の朝の空港でお盆初日の混雑に捕まりぼーっとしていたら乗るはずだった飛行機に乗ることがでなかったのです。同便に乗り込むはずの旅仲間から「搭乗完了です!」と連絡が入り、まだ保安検査場もパスしていない私は焦って窓口で助けを求めると「この便はもうご搭乗いただけません」と乾いた返答、目が点になりました。「まだ飛んでいないならなんとかなりませんか?」と頼み込みますがなんともなりません。想像を遥かに上回る混雑を見せたセントレア、同日はすべての便が満席で翌日の便の検索を余儀なくされます。整理のつかない頭でネットから予約できる便を調べますが、結果翌日も予約可能な便は夕方着の便、ワイナリー巡りの9割が終了している時間着でした。
予定を組んでいてくれていた旅の隊長とメンバーに迷惑をかけてしまった申し訳なさ、併せて帰省も企てていたので地元の家族に会えない寂しさ、早々にボーディングの時間に気付けなかった情けなさ、いろんな感情で落ち込みましたが、同時に何故か妙な諦めがついて北海道行きを辞めることにしました。
本来はワイナリーで感じたことをその場その場で書き繋げて行こうと思っていた今回のメルマガでしたが、それが叶わず今こんな馬鹿話を名古屋の自宅でしたためていると、私の帰省に合わせて予定を組んでくれていた母から「あなた妖怪アンテナでも立ってるの?」とメールが。何のことかと疑問に思えば、テレビではずっと台風情報が報じられています。この文を書いている8/15、私が北海道から名古屋へ戻る便を予約していた日です。私が乗るはずだった便を含め全ての便が欠航になっていました。塞翁が馬です。
とそんな私を不憫に思ってくれた旅仲間たちが、訪れたワイナリーで色々なワインをお土産に買ってきてくれました。生まれ故郷であることもあり北海道のワインはもともと好んでいましたが、仲間の優しさで一際美味しく感じるワインばかりです。
ということで、9月は日替わりで北海道のワインを皆さまにご紹介したいとおもいます。何があるかはその日の運次第です。

この画像は私が自宅の世界地図を写真に撮ってトリミングしたもので、少し粗雑ですが縮尺と緯度のラインはあっています。北海道は北緯が高く涼しいと印象付けていましたが、今回サミュゼメンバーが旅した空知、小樽、余市(赤くマークしてある部分、以下道央と書きます)のエリアは緯度的に言うとスペインのリアスバイシャス、フランスは南の地中海沿い、イタリアだとキャンティの生産地であるトスカーナ州と、ヨーロッパでは比較的暖かいとされる場所に位置しています。
とても意外な事実です。なぜなら育てられている品種の多くはドイツ系で、一般的に涼しいエリアの特徴である酸味がシャープな出来のものが多く、酸度のコントロールが大変で赤ワイン用の品種をわざわざ白ワインにして酸のバランスをとるという造りをするワイナリーも多いのです。
写真のように、メルロー種で造る白ワインも出てきているのだとか。見た感じ少しロゼっぽさがありますね。

なぜ道央エリアは緯度的には欧州の暖かいエリアに属するのに涼しいのか。答えは周りを海に囲まれているところにあります。道央は基本的に日本海側気候。豪雪地帯が多く見られる日本海側、夏は雨が少なく「冬が寒い」ことは優に想像できますが、それだけではなく道央でも南に行くほど太平洋の影響も出てきます。太平洋側は東からやって来る千島海流(親潮)によって冷却された冷たい風が吹くため、夏でも涼しくなるのです。
もちろん因果は他にもあると思いますが、あまり長くなるとワインが温度を上げてしまいそうですから今回はこの辺で。
昨今道央はワイナリーの軒数が増えており、エリアを決めて何軒か巡るには便利で楽しいですし、夏は涼しく避暑にも最適ですね。
行かれる際のおすすめは、繁忙期初日の朝一の便を避けていただくことです。 
ソムリエール 藤原留衣
